のどかな田園風景広がる奥地に、華やかな装飾と極彩色の彫刻が見事な、さつま日光「花尾神社」の社殿があります。
今回は、手前の「丹後局眠る石塔群」の初散策を終えてから、杉並木の立ち並ぶ社殿へと歩を進めました。
運よく宮司様がおられ、いろいろと貴重なお話もお伺いできました。「薩藩勝景百図」(1814年)に描かれている約200年前の花尾の姿は、「花尾」という名にふさわしく、色とりどりの花が参拝者を迎え、峰々が重なるその奥には、ひときわ高くそびえ立つ花尾山が見えていたと紹介されているようです。
この神社は、島津家初代当主・島津忠久公が薩摩・大隅・日向三州の守護職に任ぜられ下向した健保六年(1218)、花尾山の麓に御堂を建て、父・源頼朝卿の御尊像を安置したのを機に、母・丹後局、神社創始者である永金阿闍梨を祀る為に創建されたと記されています。
島津氏ゆかりの地として厚く保護され、琉球使節が派遣された折には、ここに参詣するのが慣わしであったとも記載されています。